皆さんこんにちはフィジオライオンです。
現在、急性期病院で理学療法士として働いて9年目となります。
早期リハビリテーションはガイドラインでも推奨されていますが、
標準早期リハビリテーション(ベッド上介入)と比較して、
本当に早期離床プログラムが有効どうか疑問に思ったことはありませんか?
実は標準早期リハビリテーション(ベッド上介入)と同等の訓練時間で比較した場合、
早期離床プログラムはメリットがあるかもしれません。
なぜなら脳卒中の機能回復は、
能動的プロセスと経験依存的プロセスの組み合わせによって起こる可能性があるからです。
この記事では早期リハビリテーションとして、
早期離床群と標準早期リハビリテーション(ベッド上介入)おいて
同等の訓練時間実施した場合、
どのような違いが表れるかを述べたいと思います。
この記事のKey Questionは、
- 同等の訓練時間を実施した場合、早期離床は標準早期リハビリテーション(ベッド上介入)と比較して効果的であるか?
早期リハビリテーションではベッド上介入するよりも離床される方がメリットが大きいことが理解できます。
今回紹介する早期リハビリテーションとは
Neurorehabil Neural Repairで2020年に出版された
Early Mobilization of Mild-Moderate Intracerebral Hemorrhage Patients in a Stroke Center: A Randomized Controlled Trialです。
休息は必要に応じていつでも可能であったが,トレーニングの総時間を計算する際には考慮しなかった。
また、標準リハビリテーション群は脳卒中センターにいる間はヘッドアップ45°までで活動が制限されています。
早期離床の有用性
In conclusion, early mobilization in a stroke center within 24 to 72 hours of stroke onset, specifically in patients with mild or mild-moderate ICH, and using an EM protocol with standard intervention time and session frequency, may be more effective than standard early rehabilitation in achieving functional independence within 3 months of stroke.引用:Early Mobilization of Mild-Moderate Intracerebral Hemorrhage Patients in a Stroke Center: A Randomized Controlled Trial. Yen HC, Jeng JS, Chen WS, Pan GS, Chuang Pt Bs WY, Lee YY, Teng T. Neurorehabil Neural Repair (IF: 3.92; Q2). 2020 Jan;34(1):72-81.
論文の結論は、
早期リハビリテーションにおいてプログラム選択としてベッド上介入よりも離床プログラムを選択することで3ヵ月以内の機能的自立度達成に効果的である可能性があります。
今回の論文では、機能的自立度をFIMで評価していました。
合計スコア以外に下位項目としてセルフケア、移乗・移動でも分析されていましたが、
発症後2週間・4週間・3ヵ月後で群間差を認めていました。
ただし、姿勢制御コントロールの評価に関しては群間差を認めていませんでした。
まとめ
- 脳卒中早期リハビリテーションにおいて、神経症状増悪やバイタル変動がない状態での早期離床は、ベッド上介入と比較して3ヵ月以内の機能的自立に有効である可能性がある
早期離床群と標準早期リハビリテーション群で初回の介入までの時間および訓練量が同等であったという点だと思います。
Stroke care unitである程度離床されていれば、
一般病棟に転棟してもその離床が基準となることで患者の入院中の能動的な活動量に良い影響があるのではないかと考えています。
一般病棟ではマンパワーが落ちますのでより離床に消極的になってしまい、
結果的に入院中の能動的な活動量の低下につながる可能性はないでしょうか?